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かか (読みづらいのに、目が離せない中毒性) 

御書印を集めていて、県内のちょっと離れた地域の本屋さんへ行って見つけた本。
「推し、燃ゆ」で知った作家さん。でも、なぜ敢えて「かか」を購入したのか?

それは「純粋なジャケ買い」

書影というか、その本屋さんに置かれていた場所がよかったというか、見せ方というか、なんというか「この本を買いたい」となって手に取った。その本の雰囲気にひかれた。

その本屋さんは、小さな町のというか商店街の中の本屋さんだった。そう広くない店内なのに窮屈感はなく、なのにすべてがある、そんな「また来たい」と思う本屋さんだった。なんていうか、この本屋さんに置かれている本は、多分どれをとってもおもしろい、そんな風に思える本棚だった。

読み始めて驚いたのはその文体。読みやすいとはいえない。
内容を読んでいても、どこに向かっているのかよめない。
でも、情景はありありと目に浮かぶ。
とても窮屈で逃げたいけれど、でも逃げられない。
逃げたいけど逃げたくない。

家族のことは家族にしかわからないというけれど、本当にそうかもしれないと思えるような情景。頼れるはずの親が心を病むってどれほど大変か。

熊野へ旅立つんだけど、正直「なんで?」だったし、「何しに行くんだろう?」だった。そろそろ終わりに近づいているのに全然先がみえなかった。読み進めてきたけど、私はどう読み終えたらいいんだと思って終わりかけた時にやっとストンと落ち着くところに落ち着いた。

それこそ、この文体だから落ち着けたのかもしれない。

行動だけ見ると劇的なことが起こったわけではない。でも、気持ちの動きは劇的だった。うまくいえないんだけど、自分の身勝手さとか甘えとか、罪悪感とか妬みとか嫉妬とか、孤独感とか背水の陣感とか、失うものはないといいつつそうではなかったりとか。

自分の中にあるずるい感情も、よくみられたい感情も、背伸びをしたりいきってみたり、かまってちゃんになったり、人様にさらしたくない感情が最後に一気にあふれた。あー、恥ずかしい。まあ、誰も見てないけど。

多分、もう一度読む。
落ち着いてから読み返したらまた違う感情が湧いてくるんじゃないかと思う中毒性を感じた。読み終わって、この本の手触りとか厚さとか色味とか、絵、全てがあっておさまるところにおさまった感じになった。

忙しくもなく、暇でもない。ワクワクしているわけでも落ち込んでいるわけでもない。でも、何か動かないといけないと思いつつ重い腰があげられない。そんな宙ぶらりんな気持ちの時にスッと手に取ってみてはいかがでしょうか?

どうも最近、感情が動くことが減っていて、動くとしたら「体調不良による辛さ」ぐらいで…あまり健康的ではいえなかったんだけど、この本を読んで感情が動いた。でも、あんまり乱高下するとつらいので、この「心が動いた」のが私にはとてもよかった。

少しだけ、感情を動かしたいときに是非

ただし、中毒性はある。

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