
毎年毎年「待ち遠しいなー」と待っている作品。最初は図書館で見つけて読んでいたけど、すぐに追いついてしまって、是非自宅にも置いておきたくなったシリーズ。
第一部は文庫だけど、第二部からは単行本でそろえ中。あー、本棚を眺めるのもホクホクする。
亡霊の烏を読む直前に、第二部の復習をしなきゃ、って思ってたんだけど、やっぱり待てなくて読んてしまった。でも、望月の烏はちょっとだけ復習しつつ・・・。でも、少し読むとどんどんさかのぼりたくなるからなー。
特に第二部は時系列がバラバラだから、余計に読み返したくなる。
人が最も残酷になるのは、自分こそが被害者なのだと思い込んだ時ですよ
これ、凪彦が路近に「お前、一体、誰のことを言っている?」と言うんだけど、何人も思い浮かぶんだが・・・。雪哉、澄生もそうだけど、凪彦だって、長束だってそうじゃない?雪正もそうだよね。最後の一言を見る限り・・・。数え上げればきりがない。
それこそ、この物語の主要メンバーみんなそうじゃない?でも、よく考えたら誰だって「自分が被害者」と思いたかったり信じていたりする。路近はぐさっとくる一言を言うよね。
自分を主語にして生きていたら、少しでも被害妄想にとらわれることはないかな?
なんか「大所帯になればなるほど、ままならぬのはお前も同じではないのか?」って長束が言ってるけど、自分が主語でいられないことがそれぞれ増えてきているってことなのかな。
第一部みたいに、実は何かの目的の為に違うルートでお互いに進んでるってことではないのかな?あー、気になる。
今のあたし達は全然困っていないじゃないか。
これは、私のことを言ってるんじゃないか?だから、この叫び声を聞くのが辛いんじゃないか。
自分の身に置き換えて考えてみるっていうけど、実際に経験したこと以外は想像でしかない。その想像はとても未熟で貧弱で美化されることもある。実際、今の私の状況を嘆いたとして「自己責任」「それぐらいやってあたりまえ」ということになるだろう。初めて相談に行ったときは似たようなことを言われた。だから、「なんで家族よりも優先するんだよ」からくる言葉のように思えた。
だから、この叫び声は刺さった。
自分もそう思っていることだってあるのに、聞くのは辛い。本当に勝手で困る。でも、まずは目の前の生活を守りたいという気持ちは十分にわかる。特に家族ができると家族を優先したい。
だから、一番つらい時は頼って、少しでも余裕ができたり、経験値がたまってきたり、10年もすれば何かできることがあるはず。それを還元できる人でありたい。
産ませるべきではなかった
こういわれて「私もそう思います」って・・・。ずっと前に出ず一歩どころか、兄弟の一番後ろに控えるどころか、なんとかついていくというような立ち位置を作ってきた雪哉。この思いが小さい頃から持ち続けていたのだろうか。この親子の間には、まだ知らない何かがあったのだろうか。
「大所帯になればなるほど、ままならぬのはお前も同じではないのか?」って長束と話していたけど、どこまでのことを考えないといけないのだろう。
家族の中で一つの想いを共有できないのはそれがどんなに恵まれた環境にみえても、そこは居心地のいいものではないはず。澄尾とますほの薄の家族は一体感というか団結というか、そういうのを感じたな。そこで匿われた澄生は、本当に良かったと思う。それでも、荒波にでていくんだよね。
それとも、愛情からくる言葉だった?まだ、郷長一家には語られていないことがあるの?でも、その言葉は聞かせちゃだめだよ。
おわりに
恐らく、次で第二部がおわるんだろうけど、これ、本当に終わるの?どうやって終わるの?もう、誰と誰が関係してるの?それとも、直接関係してないけど、みんなの考えているゴールは同じで、どうゴールに向かうかが違うだけなの?
これで、役者は揃ったって感じなの?次、早く、続きが読みたい。
こんな後味悪くてモヤモヤどろどろして終わってしまったら、読み返さないといてもたってもいられない。とりあえず、第二部は読み返さないと!
ファンタジーの世界とわりきれない山内。

テレビやYouTubeに疲れて、何かにどっぷりつかってしまいたい方に是非。