
もともと、高殿円さんのXを追っかけていた時に朱野帰子さんを発見して、共感することが多かったんです。そのなかで、同人誌を発売されていて、技術書典のことをつぶやかれていたので「興味ある!」と「小説家のキャッシュフロー問題を技術同人誌が解決した話」を購入しました。
朱野さんの語りは面白い。多分、同年代。
私は作家でもないし何かが売れるわけでもないのでサバイバルもなにも・・・という感じでしたが、面白そうだったので購入。ただ、「売れ」に備える作家さんのお話ですが、急な「子育てのピンチ」に備えるハハ、と置き換えても十分うなずける内容でした。
急なピンチは誰にでもあります。その時をサバイバルするために備えておきませんか?
「超人的な仕事量を伴って」
作家さんがこんなになんでもされてるなんて思いもしなかった。
ドラマ化されたら、著者が顔をだされることはあっても、そこまであれこれあるなんて・・・。
テレビ局とは、制作発表時のコメント、ドラマのプロットチェック、脚本チェック、顔を出せばスピーチ、グッズなどの許諾、試写会諸々・・・。出版社からは、続編の依頼に、スピンオフ、サイン本にサイン色紙、翻訳出版の契約や、販促のためのインタビューや対談、それらのチェック・・・。他にも、書評、エッセイ、帯コメの依頼、etc,etc,etc・・・。
それも、これらを通常業務にプラスなんて・・・。
でも、そういえばドラマ化、アニメ化、映画化されると一気に本屋さんで関連書籍やグッズのスペースができてる気がする。「もう、こんなに一気に出たら、読むのが忙しくなるやん」と、ホクホク顔の自分とは対照的な激務の作家さんがおられるんだ・・・。
その上、今はSNSも運用されてるもんね。一読者からすると、作家さんのSNSはとてもうれしい。イベントにでられていたり、新しいことをされているなんて、そこでしかわからないことが多いから。でも、それも大きな負担ですよね。
「生活支援体制を準備しておきましょう」
これは、作家さんだけでなく、みんな準備しておく方がいいと思う!さすがに、田舎の私には家事代行やベビーシッターはハードルが高い。(多分、サービス提供地域外だと思う)だから、私は子供の自立を強力にサポートしていたり、ショートステイを探しまくったりした。小学校にあがるかあがらないかぐらいのときから、精力的に活動していた。
私の場合は、子供たちを夫や親にあずけることが難しかったから。体調を崩したってがんばった。でも、30代の時はギリギリなんとが踏ん張れたけど、40代も後半にさしかかると無理だ。もう一度、生活支援体制を組みなおさないと、ということであれこれ頑張ってきた。
各家庭で体制は違うだろうけれど、もし、自分が動けなくなっても日常が即日破綻しない、くらいの体制を整えたい。最近の人たちは家事や子育ては夫婦でされてることも多いし、即日破綻はないかな?
「必ず回復すると信じよう」
心強い!
いや、これはかなりヤバい状態になった方が言う言葉なような気がする。多分、目の前にヤバいラインがあって、そこに一歩踏み出して足をつく瞬間に足をもどしたくらいの状態を経験されたのでは・・・。
だから「防災はできなかったけど減災はできた」と言われたのだと思う。そこから回復できたのだから、今回も大丈夫だと。
私も、一番やばい時をなんとか踏みとどまった。だから、減災できていると思う。最近、減災できていても回復が遅くなっているのは老化スピードが上がってきたからだと思う。
「回復できる」を知っているのは強いし、回復するかもしれない手段をいくつも持っているのはさらに強い。「ヤバい」と思ったら、順番に試している。全部試せるわけではないので、置かれている状況で取れる方法を順番に試している。手持ちのカードは多ければ多いほどいいんだ!
「働くスタイルを切り替える」
自分のペースで動くことって実は難しい。特に、家庭を持って子供を持って、予定通りに物事がすすまなくなると余計に「自分のペース」が無理になる。焦っているときに依頼をされると嬉しくなって引き受けたくなるし・・・。そこで、自分の状況を冷静に考えて「断る」という、ストレスをまた抱えることになる。
自分はこうやるのだ、という一見わがままに見える行動をとらない限り、自分のペースはみえてこないし、作れない。それを作るまでのストレスもまた大きい・・・。
スタイルを作るとは一朝一夕では無理なのだ。でも、自分を大切にするためにも一定年齢までに作れる方が絶対にいい。
おわりに
私が朱野帰子さんを知ったのは、高殿円さんのXから。でも、「わたし、定時で帰ります。」も「対岸の家事」も知っていた。ただ、手が伸びなかった。絶対に刺さると思ったから、まだそれに心をもっていかれそうで怖い。だから、ドラマも怖くて見れなかった。
でも、絶対にもう少ししたら手に取る。1年以内に。私は1年以内に大きく生活スタイルが変わると思うから、そうなると読めると思う。本やドラマのニュースを見る限り「もっと早く読めばよかった」って思うんだろうけど。
この本を購入したのは技術書典だ。
ちょうど、文フリにはまって、BOOTHや技術書典に興味を持ちだしたときだったので飛びついた。
同人誌おもしろい。
私も挑戦したいと思ったし、実際、文フリ東京41に出展申し込みをした。本格的に書けているわけではないけれど、友人と大学のサークルのノリで出店する。東京なので、オンラインでつながっているような人たちと待ち合わせのような感じで会えるといいなと思っている。
こんな楽しい活動をやろうなんて数年前では思いもしなかった。私も少しずつバーンアウトから回復する方法が増えたし、楽しいことをやろうと思える気力が出てきたんだと思う。
色々あったからこそ、自分のペースでやれることをやっていきたい。

急なピンチが訪れる心配がある方に是非。