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ハナヒラのあたまの中〜少数派の子供達との生活〜

乳幼児健診・就学時健康診断でひっかかったらどうする?いっぱい泣いて、いっぱい悩んで一歩ずつ進んだり立ち止まったり振り返ったり・・・。

医療ソーシャルワーカーって何?医療と福祉を結びつけるプロです

今回は、意外と知られていない医療ソーシャルワーカーについて紹介します。

 病院に医療ソーシャルワーカーがおられることをご存知ですか?病気になったときや退院するときに、治療以外のことでも心配なことはありますよね。診察中には聞きにくい、でも誰に相談したらいいのかわからない。そんな時に様々な相談にのってもらえます。

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利用のきっかけ

1歳の時に障害のある子供が、生死の境を乗り越え退院に向けての話し合いをしていました。1週間ほどの入院で、あとは自宅療養できそうでしたが大きな不安がありました。病院には吸引機やパルスオキシメーターがあり、窒息しないように処置できますが、自宅では機械がないのでできません。なので、退院に大きな不安を抱えていました。その時、病院のソーシャルワーカーに助けていただきなんとか退院することができました。

医療ソーシャルワーカーとは何をする人か

医療ソーシャルワーカーとは

医療ソーシャルワーカーとは「誰に聞いたらいいのかわからない」という状態で困っている人から話をきき、そこから情報を提供したり、直接援助したりしてくれる人です。医療ソーシャルワーカーとは資格ではありません。職種の名前です。多くの医療ソーシャルワーカーは社会福祉士の資格を所有しています。

医療ソーシャルワーカーの仕事内容

医療ソーシャルワーカーとは医療と福祉をつなぐ役割があります。医療機関にかかっている患者さんだけでなくその家族の相談を受けたり、退院後の生活について経済的な相談や在宅での生活についての相談を受けたりします。支援を受けるには、様々な機関と関わる必要があります。その機関との調整も行ってもらえます。

公益社団法人 日本医療社会福祉協会のホームページで、医療ソーシャルワーカーどのような援助ができるかを見ることができます。

https://www.jaswhs.or.jp/guide/sw.php

医療ソーシャルワーカーは、ホームページにもありますが、「ソーシャルワーカー室」「医療福祉相談室」「総合相談室」「患者支援センター」「地域連携室」などにおられます。どこかわからないときは「総合案内」のような窓口で聞くと教えてもらえます。

医療ソーシャルワーカーと出会って実際にどんなことをしたのか

医療ソーシャルワーカーとの出会い

私が医療ソーシャルワーカーと出会ったのは、医師の仲介からでした。当時、子供が原因不明の発育不良で病院に通っていました。原因はわかりませんが、原因がわかったとしてもおそらく支援を受けないと生活できないだろうという状況でした。ただ、まだ生後数ヶ月。その事実を医師は私にやさしく伝えてくれました。そして、事実を伝えるだけでなく医療ソーシャルワーカーを紹介してくれました。私の目の前で、おそらく小児科を多く手がけられている医療ソーシャルワーカー(Aさん)に「こんな子がいるから、またいずれお世話になると思います」と電話をしてくれました。支援を受けないと生活できない事実を伝えられても、どうすればいいのかわかりません。とりあえず、その日の内に医療ソーシャルワーカーのAさんに会ってから帰ろうと思いました。

私が会った医療ソーシャルワーカーAさん

医師は「いずれお世話に・・・」と言っていたのに、いきなり当日に会いに行くのもどうかとは思いましたが、とにかく相談する相手がいなかったので藁にもすがる思いで会いに行きました。

出てこられたのは、私とほぼ同年代の女性でした。ドキドキしながら名乗るとすぐに「あ、○○先生から聞いていますよ。わざわざ来てもらってありがとうございます」と笑顔で答えてくださいました。「まだ、子供の状態すらはっきりわからない状況なので何を話したらいいのかわかりませんが・・・。」という話をしました。Aさんは「相談に来てくれてありがとう。心配なことがあったらいつでも声をかけてね」と答えてくださいました。

子供が生死の境をさまよい入院

もうすぐ2歳というときに、肺炎で入院しました。重症だったため、数日はどう過ごしたのかよく覚えていません。ただ、薬が効くのを待つのみだったと思います。落ち着いた頃に、Aさんが病室に来られました。私はこどもの入院中、病室からほとんど出ていないので、Aさんには入院していることを伝えていませんでした。でも、情報が伝わっていたようです。落ち着いた頃に来られたということは、容体も伝わっていたのでしょう。1人で24時間の付き添いをしていたので話し相手もなく、ただ不安な日々を過ごしていたときにAさんに来てもらえて本当に救われました。

「今の思い」と「これからの不安」

Aさんとは、現状とこれからのことの話をしました。聞き上手な方でまとまりのない私の話をじっくり聞いてくださいました。まずは、私の今の気持ちを引き出してくださいました。子供が入院するほどの状態にしてしまったことに大きな後悔、罪悪感、恐怖・・・負の感情でどうにもならなくなっていた時に、とりあえず心の内を吐き出すことができました。これで、少し前を向くことができ、これからの不安についての話を始めました。

 

これからの不安は山積みです。まずは、直近の不安です。退院直前は自宅で療養できるくらい回復していますが、まだまだ不安定です。我が子の場合は、鼻水や痰が詰まって窒息しそうになるので、吸引機・吸入器・パルスオキシメーターがない状態の自宅療養は大きな不安がありました。平日はかかりつけ医に行けますが、夜中や週末は自宅から遠い救急に行かなければならないからです。

日常生活用具の給付について教えてもらいました

退院する時に、吸引機・吸入器・パルスオキシメーターを購入しようと考えていました。全て購入すると10万円は軽く超えてしまいます。でも、夜な夜な片道1時間以上のところにある救急に行くことを考えると必要なことだと思っていました。その事をAさんに話すと「給付が受けられるかもしれないから、問い合わせておくね」と話されました。Aさんは、市の福祉課や保健師と連絡をとり、必要書類の準備までしてくださっていました。医師もすぐに書類を書いてくださったので退院前には申請することができました。また入院中に、購入予定の業者さんとAさんを交えて話ができていたので、なんと退院後数日で吸引機・吸入器・パルスオキシメーターが自宅に届いたのです。

 

このおかげで、自宅療養は一気に気持ちが楽になりました。かかりつけ医の診察時間が終了する頃にいつも緊張し、手が震えていましたがそういったことも治りました。

園復帰に向けて支援会議を提案されました。

退院し、自宅療養が進みましたが元気になると園復帰になります。ただ、園からすると障害があるだけでなく、大きな病気もしたとなると不安でいっぱいのはずです。園の先生たちの不安を解消するため、またいざという時の救急体制の確立、親を含め、救急車を呼ぶ時の目安などを確認するために支援会議を開き、病院、消防、かかりつけ医、園の保育士、ケアマネージャー、保健師、親で情報を共有する事を提案されました。

そもそも支援会議とは・・・。

支援を必要とする本人が、安心して生活を送ることができるように関係者が情報を共有し、より良い支援ができるように話をすることです。つまり、今回の場合、我が子が安心して生活を送ることができるように、関係者が情報を共有し、より良い支援が送ることができるように話をすることです。この時は、病院からは担当医師、看護師、理学療法士、医療ソーシャルワーカーの方々が、他には園の保育士、消防署、保健師、かかりつけ医、親が参加しました。

支援会議での話の内容

担当医師から、障害や病気の説明、これから注意することが話されました。その後、各々が気になる事を気になる人に聞くかたちになりました。例えば、消防の方は医師や親に「救急搬送になった場合に、搬送する病院の優先順位をどうするか」や、保育士は医師に「どういう状態になった場合に救急車を呼ぶのか」や、私は医師と消防に「どういう状態になった時に救急車を呼ぶのか、また呼んだ時にどう伝えたらいいか」など、実際にどう行動すればいいのかを具体的に質問し合いました。それらのことから、医療ソーシャルワーカーと保健師が協力して、救急搬送の場合のフローチャートを作ってくださり関係機関に配布するようにしました。このフローチャートには救急車を呼ぶ時のセリフまで書いてあります。本当に焦った時は言葉が出てこないからです。

支援会議の内容を元にしたフローチャートの活用

支援会議をしたことで、各立場からの不安を出すことができました。その中で、「救急車を呼ぶ基準」について、ほぼ全員が不安に思っていることがわかりました。救急車を呼ぶことは大きなハードルです。「たいしたことがないのに救急車なんか呼んで・・・」「もっと早く救急車を呼んだらよかったのに・・・」などがあるからです。これに対するフローチャートを作っていただけたことは大変大きなことだと思います。これを、園や消防、保健師に配り自宅にも保管することにしました。また、新たに利用する施設と契約する時にこのフローチャートを渡すようにしました。そうすると、施設側も緊急時の対応がわかりやすいといってくださいました。

退院後の医療ソーシャルワーカーとの関係性

節目ごとに報告・雑談をする関係に

支援会議も終わり、生活への不安も減りました。先々の不安はたくさんありますが、1つの大きな問題を解決することができたので、これから問題が起きても「なんとかなる」と思えるようになりました。解決する手段や、頼れる機関、相談する機関など、多くの知識と経験を得ることもできました。

その後、Aさんとは診察に行った時に時々顔を合わすようにしました。新しく機器が増えた時や園生活などに変化があった時に報告がてら雑談をしています。何度も話をしていると、Aさんからも声をかけてくださることもありました。

まとめ

医療ソーシャルワーカーと初めて聞いた時は、冷酷な判断をし、テキパキと問題を処理する人かと思っていました。ドラマの影響もあると思いますが・・・。でも、実際はそうではありません。周りが見えていない自分に寄り添って、いろいろな道を提案してくださる方です。

 

私は医師に仲介してもらっていたので、ドキドキしながらも相談しにいけました。飛び込み相談だと無理だったと思います。また、「医療ソーシャルワーカー」という存在を知らないままだと、こんなに支援を受けたり関係機関と話をする機会を持ったりはできなかったと思います。

 

家族が病院にお世話になった時、その後をどうしたら良いか迷ったり困ったりした時は医療ソーシャルワーカーに相談することをオススメします。1人で、また当事者だけで考えるとどこかで行き詰まります。「誰かに相談する」というのは歳をとるほど難しく感じるかもしれませんが、一歩踏み出してみてください。相談する相手ができるということは想像以上に気持ちが楽になりますよ。

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